--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2009-05-12(Tue)

産地偽装、揺れたカキ養殖 「消費者ニーズ」という呪縛・・・実に味のある記事

 産経IZAで味のある記事があったので紹介したい。少し長いけど。食品偽装の本質に迫る記事。
 新聞は、日々の新しい記事が重要視するから、過去の事象を後追いするなんて、特集でもしない限りなかなかない・・・産経のくせになかなかやるジャないの(笑)

IZAより引用
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/252485/

産地偽装、揺れたカキ養殖 「消費者ニーズ」という呪縛

2009/05/11 20

 ■スーパーの圧力

 太平洋に突き出た宮城県・牡鹿半島の小網倉浜。4年前の市町合併で現在は石巻市になる。沖合にはカキ養殖の「浮き樽」が等間隔に並び、漁港の共同カキむき場では、阿部聖昭さん(66)一家ら数十人がゴム長靴に前かけ姿で黙々と生ガキの殻をむいていた。午前7時から正午まで、1人がむくカキは平均約1500個。高齢者にとっては腰にくる作業でもある。

 宮城県の三陸沖は広島に次ぐ養殖ガキの産地だが、平成14(2002)年、大がかりな産地偽装に揺れた。後に各地で噴出する食品偽装の「原点」ともいえる事件だった。

 県内のカキの年間生産量は5000トン。にもかかわらず当時、それを上回る「宮城産」が流通した。仲買業者が漁協から買い入れてスーパーへ卸す際、韓国産を混ぜて販売していたのだ。県の調査によると、仲買55業者のうち少なくとも18業者が偽装に手を染めていたという。

 阿部さん一家にとって、この年は三男の豊さん(30)が家業を継ぐため仙台市内から帰郷した年だった。豊さんは、ケンコと呼ばれる細いナイフで手際よくカキをむきながら、「当時はカキが足りない、足りないと仲買業者から言われ、朝から晩まで1日中むいていた。まさか韓国産と一緒にされてたなんて、本当にショックだった」。

 偽装を告発した地元漁協の当時の組合長、木村稔さん(68)によれば、仲買業者もまた、スーパーから生産量を超えるカキの安定出荷を求められ、韓国産欲しさに山口県の下関港まで足を運んでいたという。

 「要するにスーパーの圧力に負けたんだな。彼らの言葉で言えば『消費者ニーズ』というやつだ。海には時化(しけ)もあるし、ましてやカキむきは機械じゃできない手作業だ。それでも彼らは大量購入で単価を下げ、何が何でも毎日店頭に1トンのカキをそろえろと迫ってくる。『お客さまのニーズにお応えできない』と言ってくる」

 ■「安さ」が基準

 「消費者ニーズ」。その言葉が一人歩きし、地方の生産現場を呪縛のように覆っている。カキだけではない。そもそも、スーパーの店頭に同じ大きさ、同じ色の野菜や果物が季節を問わず、しかも格安の値段で並んでいることを「消費者」の側も何の疑問もなく受け入れてはいないだろうか。

 農産物流通コンサルタントの山本謙治さん(38)は「モノの値段は本来、生産価格に流通価格などを上乗せして決まっていくものなのに、バブル崩壊後は小売り側に権限が移るようになった。デフレ不況で物価が下がり、消費者も『なぜ100円で買えないの』となってしまう。魚介類や農産物でさえも同じように思ってしまう」。

 では、「消費者ニーズ」の実態とは何か。熊本大学の徳野貞雄教授と財団法人福岡アジア都市研究所が市民1000人に消費者のタイプをアンケートしたところ、「安全なものなら多少高くても買う」という「積極型消費者」はわずか5%。「おいしければ満足」という「無関心型」は23%で、最も多い52%を占めたのが「安全性には注意しているが、特別なことはしていない」という「分裂型」だった。

 山本さんは「口ではきれいごとを言いながら、実際は安いモノしか買わない。結果的に、POS(販売時点情報管理)データを重視するスーパーにとって、安値が最大の『消費者ニーズ』となる」。

 生ガキ偽装事件の際に発足した対策協議会の席上では、学識経験者の委員が、同じく委員に選ばれた大手スーパーの社長に、カキの養殖が気象に左右されやすいことなどを説明した上で、こう迫ったという。「足りなければ、なぜ店頭に品切れの看板を出せないのか。あなた方は戦後、野菜がいつでもどこでも買えることの異常さを日常にしてしまった。そのしわよせを海にも押しつけるのか」

 社長は「知りませんでした」と答えたが、その後、会合へは姿を見せなくなったという。

 ■変わる海の景色

 三陸沖のカキ生産者の多くが家族労働だ。父親や息子が養殖ガキを漁船で水揚げし、港まで運んだ後、フォークリフトでカキむき場へ運び、今度はそれを女性を含めた全員でむく。阿部さん一家も、木村さん一家もそうやって生計を立ててきたが、宮城県内のカキ生産者は平成18年で約1200軒。20年前に比べて約800軒減った。

 この仕事が自身で3代目になる木村さんは「設備投資が大きいから新規参入はほとんどない。しかも今はとても採算が合わない。息子は継いでくれたけど、その先はわからんな」と話し2030年のふるさとについて、こう述べた。

 「海の景色はだいぶ変わってるだろうな。養殖をする人が減ってるだろうから。でも俺らより、都会の人の心配をしたほうがいい。今のままなら必ず食糧不足が来るよ。生産者がいなくなってるんだから。安心、安全の消費者ニーズなんてものは、食の安定があって初めて言えることだと思うよ」

 カキ偽装の発覚から7年。よく似た構図はその後も各地で繰り返され、今年1月には、秋田県の水産物卸会社が、ロシア産のシジミを青森産と偽って販売していたことが発覚した。この会社では、ロシア産の安い価格のまま販売しており、「国産が手に入らず仕方なくやった。儲けのためではなかった」と釈明した。



 この記事、食品偽装の問題の本質は、流通・小売側にあると言っているかのようなトーンで書かれている。
 私もおおむね、賛同。
 食品偽装が発覚するたびに、倒産しろだの廃業しろだのと糾弾するのは簡単である。しかし、とりまく背景までしっかりと見なければ、本質を見失うことになるのではないかと思う。

 話はかわるけど、最近多いうなぎの偽装。中国産であるにもかかわらず三河一色など国内の一部地域の産地であるかのように表示を行っていた件。
 神港魚類の例など言いだせばキリがないが、これらの偽装が発覚するかなり以前より、消費者側でさえ、よく知られた話ではなかったか?

 流通・小売業のバイヤの中には、産地偽装を承知の上で、知らないフリをし、ウナギを仕入れていた輩がいたのではないか?発覚したら、知らなかったのだからこちらは被害者なのだと。

 1月の秋田のシジミ偽装の件、対象企業は「秋田丸魚」だろう。

 食品偽装は発覚すると、ヤフーのニュースのコメントにはいくつも「倒産」の文字が並ぶ。その人はこの記事を読んでどのように思われるだろうか?

 「儲け主義偽装」と「やむなし偽装」をどこで判断するかは難しいところだけど、このような後追い記事は、今後も紹介していきたい。
スポンサーサイト
プロフィール

食品偽装ドットコム 管理人

Author:食品偽装ドットコム 管理人
食品偽装ドットコムと連動したブログです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。